第004回
『デモベ』の魅力はロリ?

4月に入るまで特にこれといって欲しいゲームもありませんで、それまでは今年に入ってここ最近プレイしたゲームの感想を述べてみたいと思います。

今回は『斬魔大聖デモンベイン』を取り上げます。本当ならPS2版が発売されたらプレイする予定だったのですが、4月に延期になってしまったので我慢出来ずに先月PC版の購入に踏み切りました。実際にプレイしてまず思ったのは、「PS2版を待てば良かったかな」と言う事。やはりフルボイスでは無かったのが減点です。特に中盤における主人公九朗と相方アルとの日常会話にほとんど声が載っていないのが痛い。逆に、取って付けた様なエロシーンにはほぼ全てに声が付いていて、そこは流石エロゲーと言った所なのでしょうが、おかげで物語中盤で今一つ作品にノメり込めない原因にもなってしまった印象でした。せっかく一流どころの声優を起用したというのに、これでは宝の持ち腐れ感も否めませんしね。今から購入を考えている方は、素直にフルボイスになるPS2版を待った方が吉だと思います。

それと本作は3DCGを多様しているのですが、それがいまいち格好良さに繋がっていないのも残念な点でした。造詣等のレベルは相当なものだと思いますが、見せ方としては平面的で単調なのですね。だから戦闘シーンでその画面を表示されても、あまり臨場感が伝わってこない。逆に2D絵の方にはかなりパワーがあったりするものだから、統一感が無くゴチャゴチャした印象になってしまいました。いっその事、2Dに統一した方が良かったのではないかと。そう、この作品の2D絵(キャラデザ)を担当された方は、非常に魅力的な体のラインを描く方で、鋭利と柔和のバランスの取り方が絶品。繊細なデザインなのに強いインパクトがあって、それがクトゥルーを題材にしたドロドロとした世界観に驚くほどマッチしていたのが印象的でした。今後大ブレイクしそうな予感。

で、肝心のストーリーですが、個人的にはかなりハマりました。”荒唐無稽スーパーロボットADV”と銘打つだけあって、熱いスパロボ系ストーリーに魅力を感じるタイプの方(バンプレストの『スパロボ』シリーズを喜んでプレイする方は特に)には、ど真ん中なソフトだと思います。特にラストの主人公の載るデモンベインとライバルが載るリベル・レギスの死闘は、ADVとは思えぬ盛り上がりを魅せます。必殺技は勿論の事、相手の名前をいちいち叫びながら殴りかかる様は、もう70年代永井豪作品真っ青って感じでした(名前を言い合う所で、アルがエセルドレータのことを「ナコト写本!」と怒鳴っているのが妙にらしくて好き)。これをアニメ化するとなるとラストだけでも2話分ぐらいにはなりそう。ここまでボリュームある濃いロボット物ゲームはなかなかコンシューマでもお目にかかれないと思うので、属性のある方にはほんとお奨めします。

それと恋愛ゲーとしての側面ですが、若干熱いストーリーに押され気味とはいえ、かなりしっかりと作られています。と言いますか、こんなロリキャラ風味なヒロインをメインに据えたら、どこか短絡思考に基づく”アザトさ”を普通は感じるものですが、この作品に限って言えばもう納得せざるおえません。つまり、物語の底辺に流れるクトゥルー神話的グロさに対して、良好な作品バランスに仕上げる為に可愛いロリキャラを出したニトロプラスは流石と言う他ないのであります。そのロリもフリル着ているわ、猫耳つけるわ、チビっこくなるわでやっぱりアザトさ満点キャラだったりするのですが、主人公とはそれでもお似合いカップルに見えてしまうのですから、シナリオパワーの勝利、設定の妙と言った所なのでしょうね。実際、ロリ属性皆無の筆者でさえ、いい感じに萌え転がってしまったのですから大したもの。エンディングも2人のお互いを思う気持ちが非常に旨く表現されていて、大変好感が持てました。個人的には旧神エンドの方が好きです。アルには最後ぐらい我侭でいて欲しかったし。このEDのラストの1枚絵は震える程の格好良さ。是非見て欲しいものです。

という感じで『デモベ』の感想を述べてみました。PS2版が本当に楽しみです。子安声のウィンフィールド、はよ見たい。今回のイラストは九朗のシャツ着たアル=アジフです。実を言うと、筆者が絵を描く上で最も苦手なのがロリ絵だったりします。ちーとも可愛く描けないのですよ。今回も相当頑張ったのですが、結果はこれもんだしな・・・。なので、筆者が一番に尊敬する絵描きさんは、ゴスロリが旨い人だったりします。

【 2004/03/15 】

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