ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記
ゲームプレイの感想を中心に、徒然なるままに書き殴り。たまにイラストつき
今回取り上げるは、『沙耶の唄』です。
『デモンベイン』でニトロプラスに興味を持って、何か他の作品もプレイしてみようかと思って調べてみた所、現時点で最新作である『沙耶の唄』が値段的にも内容的にも丁度良さそうだったので購入。もちろん、見かけがフェイクで中身がグチャドログロ系という事も分かっていました。
クリアして端的に感想を言えば、勿体無いの一言につきます。やはり短いのですね。だからラストで沙耶が開花するＥＤは素晴らしかったのですが、それに至るまでの過程が少々書き込み足らずの為、余韻があまり残りませんでした。個人的に不足していたと思うのは、ストレートに言うと郁則と沙耶の睦み合いです。頭では２人の絆の深さは分かっていても、本編全クリアが４時間程度ではゲーム内の時間をカバーするのは到底無理。出来れば１０時間ぐらいの尺の長さは欲しかった所です。それと、１つでも良かったので分かりやすいハッピーＥＤがあればとも思いましたね。この短さだと喪失感もあまり沸かないので、逆にスッキリしたお約束を１つぐらい入れた方がゲーム自体に落ち着きが出たように思いました。
本作はフルボイスなのですが、フルボイスで嫌な気分になったのはこの作品が初めてです。特に冒頭の４人の会話シーン。見た目がグロいのよりもよっぽど精神的にキます。気になる人は最初、音を絞った方が良いかも。主人公の声、『デモベ』に引き続きあの方が演じているのですが、ほんと旨いですね。今回は感情の起伏の激しいキャラでしたが、ちっとも違和感無し。悲痛な叫びなどは怖いぐらいでした。沙耶の声も良かった。ラストの『あなたに・・・・・・この惑星を、あげます』の所、鳥肌が立ちましたね。うーむ、ファンになったかも。そういえば、戸尾の声ってどこかで聞いた事があるような？ 『スレイヤーズ』のガウリィの中の人？？？
内容に関してですが、モンの凄い好きです。こういう単一のカップルにビシっと焦点を絞って表現された”純愛モノ”が大好きなのですよ。たぶん古典的な少女漫画が好きな人ほどハマる気がします。実際、郁則と沙耶の恋は、作品の底辺に流れる陰湿グロリズムとは対極にあると言っていい程、嬉し恥ずかし”ボーイミーツガール”モノでしたから。だから傍から見れば狂気の世界だというのに、妙に２人に肩入れしてしまう。そう、『なかよし』に出てくる恋人未満のやきもきカップルが、ラストにはハッピーエンドになる様を楽しみにするが如く・・・。グロさを内包しつつそういう感情にプレイヤーを持っていく虚淵氏の手腕はなるほど、噂に違わぬ巧さだと思いました。バッドエンドの描き方も秀逸。ホント遣る瀬無い終わり方をしているのですが、それでも２人のお互いを想う気持ちをキッチリ描き切っています。だからなのか、悲しいし切ないのにどこか好感が持てる、そんな終わり方でしたね。遅ればせながら虚淵氏のファンになったかも。次『ファントム』でもいってみようかな。
という感じで『沙耶の唄』の感想でした。次回からはリアルタイムでプレイしているゲームの感想が書けそうです。ＰＳ２も直った事ですし。今、待機しているのはＰＣだと『マブラヴ』、ＰＳでは『真・女神転生ｉｆ』。どちらも今まで積んであったのですが、そろそろ気合を入れてプレイしようかと。でも４月は大作目白押しなので途中で中断しそうな気もしますが。
【 2004/03/21 】