ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記

第067回
『サクラ大戦Ｖ』の感想

連休を利用して盛岡と秋田に行って来ました。写真は十和田湖にあるたつこ像。この辺りは雄大な景色が実に見応えがありましたし、雰囲気ものんびりとしていてとても癒されました。正直、帰りたくなかった・・・。帰りの新幹線の中でケツメイシの『東京』を聴いて泣きそうになった筆者でした。

さてゲームの話。とりあえず『サクラ大戦Ｖ』１回目クリアしたので、さらっと感想を述べてみたいと思います。まずお断りしておきますが、筆者にとっては『３』が神認定作品になっておりますので、図らずも『３』との比較での批評になってしまう事を念頭において読み進めてください。

端的に言って『３』よりも劣ります。ＤＣ末期に社運までかけて製作されただけあって『３』には「ここまでするか」と言わしめる程に徹底したエンターテイメントに満ちていた訳ですが、それからすると『Ｖ』は気の抜けたビールの如しでした。シナリオやキャラクターを盛り上げるべき要素が欠落気味。ＯＰムービーは『３』のＣＧ使いまくりの美麗さに比べれば明らかに見劣りしますし、ミニゲームも無く、アニメムービーも少な目でしたし、戦闘も『３』の焼き直しのようで目新しさもは皆無。個人的には紐育の街並みが妙に狭っ苦しいのも気になりましたね。リアル紐育の勇壮さが微塵も感じられない箱庭世界にがっかり。とにかく、『３』が発売されてから何年も経っていてそれでこの程度のクオリティでは、いくらハードが違うと言えども物足りなく感じるのは確かだと思います。

戦闘に関して更に言うと、この作品の売りであろう空中戦がまたお粗末な出来。元々、サクラ大戦の戦闘部分は力押しでなんとかなってしまう戦略性のヘッタクレもないシステムにはなっていますが、それでも『３』から導入された行動値の概念のおかげで多少なりとも戦闘が楽しく感じられるようになったのも事実。その”楽しませる”意味合いでも高く貢献した行動値のシステムが、今回新たに付与された空中戦に旨く生かされていないのです。返って行動値が足枷になって自由に飛んでいる感じがまるで無いのが痛い。視点が横からのものに固定されているので敵の全体像が見え難く、攻撃部位を探すのも一苦労です。せっかく空を飛んでいるのだから背景も青空のものにすれば良いのに、戦闘になると暗い背景ばかりなので閉塞感が余計強まってしまった印象。結果、爽快感に欠け戦闘も単に面倒臭くなっただけという感想に終始する空中戦でした。もっとシステムを練ってくると面白くなる可能性もありそうですが・・・。

キャラクターに関してですが、プレイ前の「コイツらに魅力を感じるだろうか？」という不安を一掃するぐらいの好感は持てました。１人目クリアはサジータだったのですが、見た目よりもお茶目な人で且つ義理人情に厚い、紐育版カンナみたいなキャラでした。もうちょっと恋愛イベントがあれば良かったのですが、相手が新次郎ではやはり『年下をからかうお姉さん』的な展開が多く、それ以上の発展はもう少し先かなぁと思わせる程度。まぁそれも好し哉。他のキャラですと、意外と萌えたのがダイアナさん。最初に声を聞いた時は思ったよりもコモった感じで多少違和感を覚えたのですが、慣れてきたらこれはこれで味があって「あかんぜよー！」辺りで個人的にブレイク。次のＥＤ狙いはこの方と決めました。実はセーブデータを使ってデートイベントだけ見てみたのですが、もう激萌でした。ＥＤが早よ見たい・・・。逆に気に入らなかったのが、ラチェット＆サニー。ラチェットは結局、最後まで声に慣れる事が出来ませんでした。映画版を見た事が無いというのもあるのでしょうが、思い入れがない分、もうちょっと若い方にやって欲しかったかも。サニーは司令としての魅力が無さ過ぎ。度量が狭いと言うか、選民意識の強そうな典型的なアメリカ人という感じで好感の持ち難いキャラでした。米田中将の豪快さが懐かしい。

最後はストーリーについて。相変わらず無難な出来です。特にコレといって燃える展開もありませんが、冷める程に寒い展開も無く、至極真っ当な”サクラ大戦”でした。ただラスボス戦あたりの駆け引きは結構好きかも。過去シリーズの中で一番好きなラスト話になったかもしれません。いや、シナリオの妙というよりも、小杉十郎太氏演じる信長に惹かれた、と言うのが正解でしょうか。ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、もし次の作品も紐育で展開されるとすれば、意外と助言という形で信長が顔を出すかもしれませんね。むしろ出て欲しいぐらい。『Ｖ』の話には物語の屋台骨を支えるどっしりとしたキャラクターが味方にいないので（新次郎もまだまだ発展途上な印象が拭えないので）、影からそれらを支える存在として信長なんてうってつけのような気がするのですがねぇ。加山？　あれはちょっとネタキャラ化し過ぎてあまりに頼りない・・・・・・。

以上、『サクラ大戦Ｖ』の感想でした。次週も『Ｖ』の攻略キャラの感想になるかと。他の未開封ソフトにも手を付けたい所ですが、あまりに時間が無く。そういえば、今回の旅行で盛岡のとあるゲーム店に寄ったら、『グランツーリスモ４』の中古が思いのほか安かったのでつい購入。ソフトばかりが無駄に増えていくなぁ。

【 2005/07/18 】

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ビーフストロガノフ(屠絵 味噌)