第079回
肩透かしを食う

最近はTVアニメもトント見なくなりましたが、10月スタートのアニメで筆者が読んだ事のあるライトノベル原作の作品が2本ばかりあったので拝見。1本は『はっぴいセブン』。ヒロインがゴロゴロいる作品なので、1クールでその辺りどう折り合いを付けるのか興味があったのですが、まさかオリジナルヒロインを出してその娘に焦点を当てての展開になるとは驚きでした。福娘達が脇役(に近い役割)になっているのは原作ファンとしては些か複雑な所ですが、ストーリーはヒロイン1本化で返って締まって見えましたね。新ヒロインの亜麻乃にもなかなか好感が持てましたし。ただ、みくとまひるは地味になりそうな予感・・・。一応今後も視聴予定です。もう1本は『灼眼のシャナ』。カリモフメロンパンを食べるシャナは激萌えな訳ですが、ストーリーは急ぎ足な印象で少々物足りない感じ。1クールでどこまでアニメにするのかは不明ですが、原作1、2巻程度では『シャナ』を語るには明らかに魅力不足です。やはりヴィルヘルミナ(とメリヒム)がいないのは片手落ち。第2部、3部と作る事を見据えてのアニメ展開ならまだ納得できるのですがね。ただ、アラストールの声を江原正士氏があてていて、これが実にピッタリ。このキャスティングだけは最高です。アラストールの声を聞く為だけにアニメ版『シャナ』は見続ける所存です。吉田さんが川澄綾子氏というのも気合入っていますが。

ライトノベル原作のアニメの感想はこんなところですが、ドラマCDでも気になるのが1つ。『GOSICK』のドラマCDの製作が決定したそうで、原作ファンとしては嬉しくも驚きです。何故なら「あのヴィクトリカの声、誰がするのだろう?」と。年齢が14歳なのに既に老人のようなシワガレ声って、一体誰に出来るんだ??? 当方のイメージでは美輪明宏ヤンガーだったりするのですが、そんな声優、思い浮かびませんし・・・。もちろん、変に妥協して分かりやすい萌声をチョイスする事だけは勘弁願いたいものです。因みにドリルは個人的には大塚芳忠氏を押します。ベック。

さてゲームの話。先週は2本ほど注目ソフトが発売されました。その感想をさらりと。

● ワンダと巨像

相変わらずゲームの背景設定が深い。ソフトを立ち上げればどっぷりファンタジーの世界です。この徹底振りは賞賛に値しますね。『ICO』もそうでしたが、両作品の持つ独特の世界観には不思議な魅力があります。特に”自然と石の融和”が絶妙で、それが柔らかくもどこか冷たい空虚な世界観を巧く助長している気がします。こんなうら寂しい世界に登場するは、たった2人の男女。なんともファンタジックではありませんか。

ただ本作はゲームとしてみると少々物足りない。まだ3体しか倒していないので何とも言えませんが、巨像を倒すプロセスは十分面白いのです。倒す過程が謎解きみたいですし、アクション部分にも適度な手ごたえがありますし。但し、その巨像と対峙するまで恐ろしく時間がかかるのが問題。馬に乗って剣が導く先へひた走る訳ですが、フィールドが無闇矢鱈とダダっ広くて、とにかく移動が面倒なのです。正直ダレます。確かにフィールドの景色は美しいのですが、筆者みたいなアクション特化型単純馬鹿には「はやく次の巨像と闘わせろよ!」という事しかアタマに無く、景色の美しさに見惚れる余裕なぞ欠片もありません。そのお目当ての巨像も土地が広すぎるが故になかなか見つからず、イライラしてプレイ意欲が減退する事もしばしば。なもので、本作を『ICO』のような謎解きアクションゲーだと思って買うと肩透かしを食う可能性があります。広い心で環境ゲーをプレイする感覚が一番シックリくるかも? まだ序盤ですしこれから他の展開があるのかもしれませんが、もし、巨像を倒す→次の巨像のいる場所まで走り回る→巨像を倒す、というプロセスを延々くり返すだけだとしたら、いくらストーリーが魅力的だとしても些かゲームとして問題があるように思うのですが。果たして?

● Fate/hollou ataraxia

金曜日に仕事から帰ってきて即プレイを開始。土曜日の夜にシナリオ100%クリアしました。プレイ時間は20時間弱。相当に飛ばしたので、じっくりシナリオを読んでいたら間違いなく倍はかかるものと思われます。結論から言えば、本作は60点。大前提としてまずこれはファンディスクでは無く、本編『Fate』のアナザーストーリーと捉えるべきだという事です。本編側面を描いているとすれば、その煽りで『Fate』主人公級のキャラがビックリするぐらい出番が少ないのも、腹ただしいですが納得です。かのツインテールのあまりの影の薄さも然る事ながら、セイバーも期待したほど目立っていませんでしたし、あのキャラなんて・・・・・・。多くの方は『月姫』で言う所の『歌月十夜』のような作品を期待したと思うのですが、それだと(FDとしての側面からすると)まず肩透かしを食うと思います。どちらかと言えば、新キャラと『Fate』本編であまり出番の無かったキャラの為の作品と位置づけるべきでしょう。ただ、新キャラでも、×××なんて前宣伝であれだけ露出していたのに、開けてみれば・・・。

本当はもう少しつらつらと感想を綴っていたのですが、読み返すとやはり幾らかネタバレに抵触しているので、突っ込んだ感想はもうしばらくしてから載せる事にします。ただ1つだけ。60点と評価した内の50点は”ゼルレッチの宝箱”の話で付けました。5000円出した価値の殆どがこのシナリオにあったと言っても過言ではありません。士凛派は注視すべし!

今回のイラストは『風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!』のアスカとコッパ。つい先日、魔が刺してWin版を買ってしまいまして。DC版で唯一心残りだった白蛇島攻略を今度こそ。

【 2005/10/24 】

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