ウィザードリィV

筆者が生まれて初めてプレイした『WiZ』がコレでした。当時は所有ハードがPCエンジンのみで、ハードの性質上それほど頻繁に大作ソフトが出る訳でも無かったので、空いた時間に軽くハマれるゲームとしてこの『ウィザードリィV』に白羽の矢を立てたのですが、気付けば軽くどころか恐ろしい程に熱中してプレイしておりました。当初のイメージはやはり敷居の高いゲームと考えていたのですが、実際にプレイしてみれば、武器表記等が英語なのが気になるくらいで後は意外にもすんなり入りこめました。逆に日本のRPGには無い、徹底したリアル志向の”中世冒険ファンタジー”が味わえたので、この世界観が好きな筆者には全くもってドツボなソフトでした。例えば、学生の頃に夢中になって遊んだ『火吹き山の魔法使い』や『バルサスの要塞』などのゲームブックを、巧みにゲームとして表現して見せた・・・と言って判る方が何人いらっしゃるかは不明ですが、それに近い雰囲気をこの『WiZ』に感じましたね。他にも、年齢や死の概念から謎解き、宝箱の開け方、クラスチェンジなどなど、独特のシステムに強烈に魅了されました。とにかくこの『V』でドップリ『WiZ』の世界に惚れこんだ筆者ではありましたが、ただ1つ、「死んだらリセットも効かずに最初から」というシステムだけが泣き所でした。PCエンジンDUOの本体セーブ容量をこのソフト1本で全部食っていたもので、バックアップを取る事が出来ず(後に『天の声バンク』の存在を知りましたが)、その為にお気に入りのパーティを何度も失い、やる気が削がれた事も1度や2度ではありませんでした。日本産RPGに慣れ過ぎたのも事実でしょうが、それにしてもかなり厳しいシステムに思えましたね。それでも、「2度とやるかこんなもん!」と叫んだ10分後には、また懲りずにキャラメイクをしていたのですが・・・。本当に不思議なゲームです。

この『V』ですが、偶然にしても最初にプレイしたのは正解だったように思います。職業や魔法の概念はだいたい前作に準拠してシンプルにまとまっていますし、MAPや謎解きの複雑さは後年の作品の先駆けと言って差し支えない奥深さです。戦闘も当作品から後衛が武器攻撃できるようになり(特に前作まで宝箱の鍵開け以外ほとんど出番が無かった盗賊が、前衛のサポートとして大活躍してくれます)、『I』~『III』のシステムを非常にバランスよく改良された作品になっています。『WiZ』初心者でそれなりにRPGに慣れ親しんだ方には、『I』よりもこちらのシナリオをお奨めします。

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