ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記

Ｅｖｅｒ１７

この作品の×な点は、ＳＦなどの考証に力を入れ過ぎた結果、説明台詞が多すぎて中だるみを生んでいる所にあります。物語のテンションが中盤にくると妙に盛り下がってしまうのも、これが原因かと思われます。それとＣＧの枚数は個々のキャラにそれなりに用意されてはいるものの、それが適材適所に存在しているかというとやはり疑問。これに関しては”お気に入りＢＥＳＴ３”に詳しく述べます。後は保志総一郎氏の声が個人的に気に入らないとか、ＰＳ２版パッケージの沙羅の指が６本になっているとか、それとか、え～とえ～とえ～～～～～と・・・・・・こんなものかな？

とにかくスッバラシイ作品です。こんな凄い作品を何故に今まで見過ごしてきたのか、過去の自分を問い詰めたい気分です。一応、雑誌の記事でこの作品の情報ぐらいは幾らか掴んでいましたが、たいして面白そうに見えなかったのですね（たぶん内容の割に売れていない原因はビジュアル面にあるのではないでしょうか？）。それほどキャッチーな絵でもないですし、恋愛ゲーを乱発しているＫＩＤからして、ストーリーも画一的な感じなのだろうと勝手に決め付けていました。雑誌の評価もたいした事なかったですしね。ところが、某大手掲示板のギャルゲー板に「おまえらのギャルゲーベスト３を教えて下さい。」というスレがありまして、ここでそのベスト３に当作品を挙げている方が妙に多かったのです。他に挙がっている作品は、大体が筆者がプレイした事のあるゲームだっただけに、そこに未プレイの『ＥＶＥＲ１７』の名があるとやはり気になりますよ。急いで調べてみると、確かにこの作品を扱ってるほぼ全てのレヴューサイトが高評価をつけていたのですが、内容に関しては「ネタバレになるから」と概要程度しか取り上げていない徹底ぶり。こういう扱いをされると更に気になるではないですか。で、それならと秋葉原で探してみると、ほとんど中古では出回っていない。しかも１回ＤＣ版の中古を見かけましたが、５千だか６千円ぐらいの値がついていて、あまりの高額に「新品買った方がええや」と思った程です。実際ＰＳ２版が新品で５８００円で売っていたのでそれを購入しました。値段がほとんど下がっていないのも、この作品の人気の証明なのでしょうね。

さて、肝心の内容に関してですが、ようするに普通の”恋愛ゲー”とはちょっと趣が違います。恋愛系のストーリー進行を起承転結の４段階で表すと

出会って
↓
仲良くなって
↓
ちょっと鬱展開があって
↓
最後はハッピーエンド

というのがお決まりですが、この作品は一人一人のキャラ攻略では

謎かけ
↓
謎かけ
↓
謎かけ
↓
よくわからん

という感じなのです。もちろんちゃんとしたストーリーにはなっていますが、恋愛要素は押さえ気味だし、なによりこの”謎かけ”のおかげで何か歯に挟まったようなモドカシイ展開になっているのです。攻略対象キャラの４人までがこんな感じです。ところがこの４人をクリアすると、この作品をプレイした方、誰もが驚愕した通称”ココ編”がプレイ出来るようになります。謎解きが主なのですが、これがもう、とにかく凄い展開。同じく起承転結で言うと

え！？
↓
マジ！？
↓
嘘！？
↓
大団円ハッピーエンドバカヤローもうマグロでも何でもこい！！！

つまり、プレイヤーがハイテンションになること間違い無し。謎解きは唖然呆然だわ、大団円が飛び上がるほど素晴らしいわで、ＥＤは良い意味で呆けます。これでも、様々なサイトで「ネタバレは見るな！」と脅されまくったおかげで、謀らずも２つ３つ結末を妄想していたのですが、ほとんど外れてそれでも尚感動できる牽引力抜群のシナリオには、もう泣いて謝って脱帽する他ありません。お・・・っと、これ以上語るとネタバレしそうな勢いなので、一応総評はここで締めますが、最後に一言。ココとひよこごっこ！　ぴよぴよ！

◆ お気に入りＢＥＳＴ３

BEST1
小町つぐみ　ＣＶ：浅川悠

今まで、筆者がプレイしてきた全ての恋愛ゲーの中から好きなキャラ３人選べというと、いつも３位以下がアヤフヤだったのですが、本作品で３位が確定しました。この方です。問答無用でめっちゃ惚れました。涼しい顔、アウトローな性格、凄まじい境遇、そして最後に掴んだ幸福。も～４人家族＋チャミで幸せになってねとしか言いようがねーぜ、こりゃぁ。惜しむらくは上の総評でも書きましたが、場面にあったＣＧ絵が少ないのが痛かった。特に着ぐるみを着ている姿のＣＧが無いのが実に痛い！　ＰＣ版で追加される事を切に希望。ついでに”れみゅーる”を着て、たけぴょんを狙うライバルをボディブローで撃退とか・・・それすら萌へるなぁ～（鼻血）。キーはキュレイ。しかし、とうとう浅川声キャラをＢＥＳＴ１に選ぶ日が来ましたよ。感無量。今後も注目の声優さんの１人ですね。

BEST2
田中優美清春香菜　ＣＶ：下屋則子

名前は”たなかゆうびせいはるかな”と読みます。本人は恥ずかしがっていますが、筆者は凄く良い名前だなぁと思ったり。実はこの名には驚くような意味も隠されているのですが、めちゃネタバレなので内緒（実は筆者が一番驚いたのがコレなのですけれど）。性格は明るいというか、閉塞的な状況でも明るく振舞える芯の強い人ですね。それは１７年間頑張った所にも繋がるし、優○にも・・・。故にかなりお気に入りのキャラなのですが、ラストの印象が悪すぎたのか、どうも１人だけ割を食った形になっていてそこが少々残念でした。ＢＡＤエンドでは彼女の気持ちが分かるだけに余計そう感じます。まぁつぐみんが立ちはだかってはねぇ。キーは胸の病気。声は下屋さん。初めて聞く声優さんですが、明るく元気な優を好演していましたね。使い分けも見事。

BEST3
茜ヶ崎空　ＣＶ：笠原弘子

ＬｅＭＵに関しては誰よりも専門情報を持ってはいるものの、それ以外の知識は欠落気味。もちろん理由があるのですが、おかげでたけぴょんを先生と慕って様々な事を吸収しようとする姿がなんとも微笑ましかったですね。一生懸命な分、今風の言葉遣いを真似る空を想像するとなんか笑えました。しかし、シロガネーゼのコケットリーを必死になって説くたけぴょんも面白いっちゃ面白い。彼女専用のＥＤはちょっと悲劇的な面が強いのですが、それ故に「生きる事はすなわち恋する事」と知った彼女にとっては、悔いの無いものだったのかもしれませんね。キーはもちろんＬｅＭＵ。声は久しぶりに聞いた笠原さん。歌の素晴らしさは言うに及ばず、空役もピッタリでした。

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ビーフストロガノフ(屠絵 味噌)