ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記
ゲームプレイの感想を中心に、徒然なるままに書き殴り。たまにイラストつき
詳細はさっぱりなのですが、元々は同人ソフト制作を行っていた所がチュアブルソフトと名を変えて商業参入し、第一弾ソフトとして発売したのが、この『Ｐｕｒｅ×Ｃｕｒｅ』なのだそうで。最近、同人から商業に流れるメーカーが増えてきましたね。その裏にはＴＹＰＥ－ＭＯＯＮの成功があるのでしょうが、それでも参入してからそこで生き残るにはやはり並大抵の作品では淘汰されるのが必定。この『Ｐｕｒｅ×Ｃｕｒｅ』をプレイした印象からすると、チュアブルソフトは十分この業界で生きていける実力があると判断しました。正直言うと、今はぎん太氏の絵におんぶに抱っこしてもらっている感が強く、ライターの実力アップが急務という気がしますが、その辺りのバランスがガッチリ噛み合ってくればブレイクするのは時間の問題だと思います。なんでしょう、光り輝く前のダイヤの原石と言ったところでしょうか？
気になった部分は、やはりシナリオ。端的に言えば恋愛部分に関してパンチ不足です。それ以外の、例えば女の子同士の横の繋がりや男キャラ（ゲンジーや増田教頭）のストーリーの絡み方はとても巧いので、余計に肝心要の恋愛部分に期待してしまうのですが、そこがどうも淡白な為に印象が軽く感じられてしまうのです。やはり主人公とヒロインのラブラブになる過程の描き方がおざなり。ゆずりの存在も単なる足枷になっているに過ぎず、話の展開では只の邪魔者としか思えなかったのも痛かった。結果、主人公のゆずりに対する固執をプレイヤーが共有する事が出来ず、嫌悪感が先走る事に。やはりこの辺りの展開に出来れば倍の尺幅は欲しかった所です。あの「お仕事開始！」の様な”在って無きが如し”のシステムなどは潔く削って、その分をシナリオ強化に割り振るべきだったのでは？と思ったのですが。
シナリオの長さのバランスも微妙。共通ルートが全１２話中なんと７話まであり、しかも、その後の分岐（２年生ルートと３年生ルート）以降にも、これまた共通部分が多々あるもので、両ルートを１度でもクリアしていると、Ｓｋｉｐ１つでほとんどのストーリーがスッ飛ばせるのは、やはりどうかと思いました。しかも分岐後の展開は前半の共通ルートよりも短いのですから、シナリオの書き込み不足と言われても仕方の無い所。これでＯＨＰに６話まで体験版をアップするのは、英断にしてもちょっと意味不明。
少々マイナス面ばかり取り上げる形になってしまいましたが、これも期待の大きさの現われと思ってください。もちろん、このままでも十分この業界で生き残っていけるメーカーだとは思いますが、単なる中堅メーカーで終るのはあまりにも勿体無い。次作品での頑張りに期待。これは個人的希望ですが、やはりＰｕｒｅでＣｕｒｅな世界観は維持していって欲しいものです。
◆ お気に入りＢＥＳＴ３
BEST1
西原翔子 ＣＶ：小林和美
通称、サイバー。恐ろしい程の天才で、期末だかで６００点満点を取るわ、キックボクシングの大会で優勝するわで、兎に角なんでも卒無くこなす強烈女子高生。問題なのはヤル気の無さで、進級出来るギリギリのラインまで早退、遅刻、欠席を繰り返す問題児でもあります。故に、主人公はこの無気力無関心な所を改善すべく走り回る訳ですが、その改善のキッカケは意外な所から転がり込みます。キーはウメさんとつきのん。この２人との関係修復の為におそらくこの高校にきて初めて彼女は奮闘します。それだけ２人の存在が彼女にとって大きかったのでしょうね。この辺りの展開は燃えるし萌えます。試合に負けた後の海岸のシーンはこのソフト屈指の名場面でした。この後、お約束のエチシーンがある訳ですが、基本的にこういうシーンはスッ飛ばすのが基本の筆者なのでございますが、この方のだけはジーックリ拝見しました。もう激萌えです。普段とのギャップの激しさが凄すぎる。必見です。気になるのはエピローグ。総評では述べませんでしたが、このゲームはエピローグで主人公とヒロインが一緒にいるパターンが思いの他少なくて（遠距離恋愛とか病気で離れ離れとか）、個人的にマイナス評価に繋がった所でもあります。残念ながらサイバーシナリオもそのクチで、消化不良気味。もっとイチャツケ！と声を大にして言わせてもらいます。強烈甘めのＦＤ大希望だ！
BEST2
吉野みずき ＣＶ：おおたけしのぶ
通称、ずっきー。保健室仲間みんなのお母さん。学校ではクラス委員長として大人な態度で何事も的確にこなし、、家に帰ると居酒屋のお手伝いをしたり兄弟の面倒をみたりと家族思いの面を見せ、もう既に良妻賢母の鏡みたいな雰囲気を醸し出す女子高生です。ただし、自分の事になると話は別。キーは独占欲。このソフトに付いている冊子に『長女であるため「他人を押しのけて物を得る」のが苦手』とありますが、これが一旦自分の物になると、絶対に手放さない強烈な独占欲の持ち主でもあります。もちろん、そこが彼女の魅力でもある訳ですが、浮気即刺されるのは間違いない所。確かに主人公がいつまでも過去を引きずっているのもどうかとは思いますが、普段が普段なだけに糾弾する場面は少々怖いものがありました。しかも全ての問題が解決してラブラブな関係になった途端にＥＤなので、その悪い面ばかりが頭に残ってしまってすっきりしない印象も少なからずありましたね。やはり、もっとイチャツケ！と声を大にして言わせてもらいます。しっとり甘めのＦＤ大希望です。
BEST3
朱雪梅 ＣＶ：古崎杏
通称、ウメさん。台湾からの留学生。奨学金を貰ってまで留学してきている訳ですから、普段から勉学に励みまくり。しかも夜には中華料理店でアルバイトもこなす努力の人です。そんな生活を苦労とも思わずにこなすぐらいですからその意思の強さはハンパでは無く、悪く言えば相当の頑固者。物語の中盤から保健室仲間と打ち解けていくのですが、直情的な性格が災いして修学旅行でのとある事件をキッカケに一旦は疎遠に。キーは巾着袋。彼女の性格からすれば仕方が無いとしても、２年生ルートでは損な役回りを押し付けられた格好になって少々可哀想でした。この巾着袋が何を意味しているのかは彼女のストーリーに入ると判るのですが、それにしても主人公があまりに考え無しで鈍感過ぎ。殺意を覚えるほどに。このマイナスの感情をプラスに持っていくだけのパワーがラストの展開にも不足していたので、結局ウメさん踏んだり蹴ったりでしたね。この辺りの不満点はきっちりＦＤでも出してフォローしてくれることをセツに希望しますヨ。因みに何故にこれだけマイナス評価なのに彼女をＢＥＳＴ３に入れたのかと言うと、声優さんの演技が素晴らしかったからです。この演技は一度は聞いて欲しい。特に学園祭で演劇を見終えた後にウメさんが感想を呟くのですが、あそこ泣いたよ・・・。必聴。