ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記

Ｍｉｓｓｉｎｇ Ｂｌｕｅ

トンキンハウスが過去に出した『Ｌの季節』の正当なる続編。ＰＳ２になってビジュアル面が大いに改良されたのは勿論の事、それに比例してか、シナリオの量も莫大に増加しました。筆者はこれを書いている時点で９５％のシナリオ達成率をはじき出しましたが、そこまでに掛かった時間は１１０時間を越えています。ここまでプレイ時間が長かった恋愛ゲーは、あまり類を見ませんね。これ程の膨大なシナリオなのに、大して中だるみを感じさせないのも流石と言った所。ただし、まったくこれを是としている訳では無くて、やはり何度もプレイしていれば退屈に感じる長さではあります。それと内容の方も、なんとなくすっきりしないエンディング（トゥルーであっても）もチラホラあって、ハッピーエンドを愛好する筆者には作品の長さと相まって憤りを感じてしまったのも事実でした。次はもう少しコンパクトな遊び易さを追求して欲しいものです。

さて、登場するキャラクターはと言うと、『Ｌ季』に負けず劣らずのナイスな布陣。儚げ系からトラブルメーカーまでキャラの性格付けのバランスが絶妙です。渡辺明夫氏の絵も更にクオリティが高くなって、好感度３割増しと言った所。もう少しイベントＣＧが多ければ何も言う事が無かったのですが、これはちょっと贅沢な希望でしょうか？　次作があれば是非またキャラデザを担当して欲しいものです。

総評は以上です。ここからは筆者の独善的独り言。この作品の攻略本でプロデュ－サーの方の対談が載っていたのですが、沙夜の件で『本当は「夢の世界に残って一緒に暮らす」ってハッピーエンド作りたかったんですけどね』と発言していました。作れっ、バカッ！　あのＥＤで完結させたのなら、そんなこと言うなよなぁ・・・。ガッカリだぜ。

◆ お気に入りＢＥＳＴ３

BEST1
神瞳かりん　ＣＶ：幡宮かのこ

礼儀正しく、主人公に絶大な信服を寄せてくれて、いざ本気になればメチャクチャ強く、んだけど料理ベタという、恋愛ゲーのツボを突きまくったヴァルキリー。マジで惚れました（プレイ前、完全にノーマークだっただけに！）。部活は騎士道部という、なんとも物騒な所に所属しているのですが、怪力でならす猿怒くんに対峙してもランスでちょちょいと倒してしまうので、そこで相当鍛えられている様子。その強さでもって、主人公も彼女に何度も助けられるので、自分とかりんの事を「お姫様とナイトの関係」と例えますが、誠にピッタリな表現でした。ただ、彼女が主人公を守るのにはある理由があります。キーは主人公の記憶。あくまで主人公を守る事を信条とした彼女は、その成就と共に絵本の中に帰っていくのでした。幡宮さんは新人なのですよね？　友人が早くから目を付けていましたが、確かに実力ありますね。

BEST2
春日瑞希　ＣＶ：友永朱音

どこか寂しげな憂い顔をする女の娘。その奥ゆかしい性格の割りに、都市研究会などという、怪しい部活動に入部したりするチャレンジャー（？）な一面も。冒頭で主人公のクラスに転校してきますが、その折に主人公にある水晶を渡します。これは主人公の今後の方向性を決定付ける重要なアイテムなのですが、なぜ彼女がそれを所持していたのかは、現実世界での彼女の立場に大いに関係してきます。キーもこの水晶です。ただ、主人公にはその事に関する一切の記憶が欠落しているので、彼女の境遇を思うとなにやら切なくなってきます。彼女の笑顔の為に、とにかく現実を直視しましょう。最期？　そりゃ”キス”で決まり。友永さんも最近活躍されている方なのでしょうか？　演じ分けが見事でした。

BEST3
シーナ・アリール　ＣＶ：坂本真綾

雨の中を傘も差さずに歩いている女の娘。川や校庭の噴水などの水場に良く顔を出します。もちろんそれには理由があるのですが、ここでは一応ナイショ。ヒントとしては、普通に歩いていても何も無い所で良く転ぶと言った所でしょうか（ヒントか？）。性格は冷静沈着で喜怒哀楽に乏しく、唯芽の空回りアタックもすまし顔でスルーします。ただ、歌に関してだけはかなりご執心な所があるようです。キーも歌。ある事で意固地になって、ワザと歌を歌わない振りをしているので、主人公が彼女の心を解してあげましょう。さすれば、ラストでは吹っ切れた彼女の美しい歌声を聞く事が出来ますよ。坂本さんは本当に歌が旨いですよね。フルアルバムは皆持っていたりして。

番外
リ・サ　ＣＶ：山本麻里安

彼女の前では唯芽だってお姉さん。しかしずいぶん可愛くなったものだ。

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ビーフストロガノフ(屠絵 味噌)