ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記
ゲームプレイの感想を中心に、徒然なるままに書き殴り。たまにイラストつき
広井王子氏が『天外III』製作を相変わらずサボって作っている大問題作シリーズの３作目。プラットフォームをＤＣに移しての新作でしたが、セガがＤＣ生産中止を発表するなどタイミング的には最悪と言っていい時期に、ここまで恐ろしく完成度の高い作品を作り上げたという意味では、ちょっとだけ誉めてあげますよ、広井さん。暇になったらさっさと『天外III』作りましょう。
さて、私怨が未だに抜けきらない筆者でございますが、この作品に関して言えば褒めちぎる他ありません。グラフィックからシナリオからキャラクターから、もうありとあらゆる面で究極の完成度を誇っています。だいたいこのぐらいサービス精神旺盛なソフトだと、肝心な部分で穴だらけだったりするものですが、もう細部に渡ってキッチリ作り込まれていて、且つ遊び易く、プレイ中ほとんどストレスを感じないと言うのですから驚愕モノ。特に今回の戦闘は、操作において自由度の高いシステムを採用しているので、これなら繰り返しプレイする事の多い本作でもあまり飽きを感じません。難易度が押さえ気味なのも本作に限って言えば正解だと思いますしね。で、また肝心のシナリオも、ポリリンお得意の”お約束”のオンパレードなのですが、あまりにお約束なのでかえって安心の出来。例えば、予想に違わず前作のキャラが本作にも総出演した訳ですが、「やっぱりな～」と思いつつもファンとしては嬉しいものでした。併せて今回は攻略対象キャラが総入れ替えされましたが、前作のキャラとの性格の差別化が絶妙なうえ、これによって話に新鮮味を持たせたのも好印象でした。この出来ならば間違いなく、本作の各ヒロインに固有のファンが付いた事でしょうね。因みに筆者はこの作品ではグリシーヌに転んだ訳ですが、前作もひっくるめるとやっぱりすみれさんファンのままと言った所。何故かと申しますと、本作のある場面ですみれさん、ロベリアからあまり価値の無い絵画を高い値段で吹っ掛けられて購入してしまうのですが（もちろんそれに気付いた大神さんはロベリアに返すように注意するのですが）、後ですみれさんに会うと、その絵画に価値の無い事は了承済みで、実はその額縁にはロベリアが吹っ掛けてきた値段以上の価値があるんですのよ、とサラっと切り返すんです。もう痺れましたよ、マジで。という訳で相変わらず筆者はすみれさんＬＯＶＥＲなのでした。
なんか総評とはかなりズレが生じてしまいましたが、とにかく遊び応え満点の本作。未プレイの方には是非遊んで貰いたいものです。ＤＣを買ってでも。そして、当コーナーで『痕』と『ときめきメモリアル』の２作品にしか今まで付けてこなかった最高評価である☆マークを、この作品に与えたいと思います。素晴らしい作品をありがとう、広井さん。この調子で『天外III』作ってよね。お願い（２００４年４月現在は『天外III』製作中・・・のはず）。
◆ お気に入りＢＥＳＴ３
BEST1
グリシーヌ・ブルーメール ＣＶ：島津冴子
その身にバイキングの血を受け継ぐ、名門貴族ブルーメール家の令嬢。性格はいたって真面目で曲がった事が大嫌い。直情直下型で怒らすと凄まじいのですが、ストレートな気質が幸いしてあまり後に残りません。人当たりも最初はそっけないのですが、親しくなると全幅の信頼を寄せてくるし誠実に向き合ってくれるので、そうなるとかえって可愛い感じがします。中盤のデートイベントでもまさに「かわいいっ！！」。キーはグリシーヌ家。やはりお嬢様特有の悩みを抱えているのですが、根が真面目なだけにかなり深刻。大神さんは励ましつつも、一番大切な誇りがなんであるかを諭してあげましょう。しかし、巴里華撃団の中で真っ先に日本に飛んで行くのはこの人だと思うのですがどうでしょうね？ さて声は島津さんなのですが、個人的にはイマイチかなぁと思わないでもありません。この方は二の線よりも三の線の方が味を出す声優だと確信しているもので。しのぶさんとか、ミーズさんとか・・・。
BEST2
ロベリア・カルリーニ ＣＶ：井上喜久子
生きながらにして既に懲役１０００年分の罪状が確定している大悪党。性格のひん曲がり方も並でなく、普通の受け答えではちっとも仲良くなれません。その癖、変にご機嫌取りの為に媚を売ったりするので、かなりしたたかな面も持ち合わせている様子。世間を斜めに見ていると言いますか、とにかくあまり他人を信用しないタイプなので、彼女と親しくなるには相当根気強く接する事が必要です。あと確固たる信念も。ずっとエリートコースを生きてきた大神さんには、このぐらい世慣れた人の方がピッタリなのかもしれませんね。キーはやはりお金。喜久子さんはセイバーマリオネットの某キャラを思い浮かべていたので、そうビックリでもなかったり。でも旨いですよね、ほんと。
BEST3
エリカ・フォンティーヌ ＣＶ：日高のり子
一応、モンマルトルにある教会のシスター。神に対する敬虔さや人に対する思いやりは立派なものですが、それがおもいっきり空回りして周りに迷惑をかける、ちょっと疫病神的な所があります。その事で神父にも再三注意されるのですが、それにまったく臆する事なく町中を元気に走り回る大物っぷり。彼女の辞書には”諦め”の言葉は無いらしく、どんな逆境にも頑張る姿には誠にすがすがしさを感じます。ただそれでも、ある事件で気落ちする場面があるので、その時は大神さんが支えてあげましょう。お礼に「エリカおはようダンス」が聞けますよ。キーは雨。声は南ちゃんで有名な日高さん。ボケっぷりが素晴らしい。