ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記
ゲームプレイの感想を中心に、徒然なるままに書き殴り。たまにイラストつき
筆者が生まれて初めてプレイしたＡＤＶが『スナッチャー』でした。当時はＡＤＶというジャンル自体にあまり魅力を感じていなかったのですが、この作品でそれが誤りである事を痛感しましたね。それ程に面白かった、まさにアドベンチャーゲームの傑作です。様々なハードに移植された本作ですが、何故ＰＣエンジンのソフトとして扱うのかと言えば、それは初の『完結編』として発売されたからです。筆者は元のパソコン版に関しての知識がほとんど皆無なのですが、前作ＰＣ版からのプレイヤーには尻切れとんぼで終っていた分、今作に対する期待もかなり大きかったようです。実際は『完結編』として加えられた部分がプレイヤー側で操作できず、ただストーリーを眺めているだけなので、故に物足りなく感じた方も随分いたようですが、ＰＣエンジン版から入った当方からすれば、最初からキチンとしたオチが見れただけでも感謝感謝でした。
その肝心のストーリーですが、近未来を背景にしている割に感心するほどリアリティがあって、それを巧みにメインストーリーに絡めるもので、臨場感がバツグンなのです（ソフト取説に載っている裏設定からして、あまりの造型の深さに驚きます）。二転三転する先の読めないストーリーと相まって、テレビから目が離せなくなる事うけ合いです。人によっては設定の部分で某映画をパクっていると感じる方もいるかもしれませんが、イメージ的には似ていても、全くのオリジナル作品であると胸を張って保証できます。また、登場するキャラクター達はゲーム対象年齢をグンと引き上げる程に渋い連中オンパレードなのですが、これがどエラく格好良い。あまり主人公に肩入れしない人でも、ギリアン・シードには惚れること間違いなし。ラスト近くに敵の本拠地に乗り込む場面でメタルに一言「メタル！ 女王様がお待ちだ！」との発言には、もう痺れ過ぎて涙が出そうでした。ギリアンの声を担当していた方が、『ちびまる子ちゃん』のまる子の親父と一緒だなんて最初は信じたくもなかったですが、役幅の広さには感服です。ギリアンのライバルであるハンターのランダム・ハジルも激渋でしたね。物語の根幹に絡んでくる最重要人物なのですが、ギリアンに負けず劣らずの格好良さでプレイヤーをさんざん魅了してくれました。本作で追加されたアフターストーリーでは彼が主役であったと言っても過言ではありません。彼の活躍も一度は見て頂きたいもの（声は故塩沢兼人氏が担当していました。小島作品には無くてはならない人でしたね）。
またミーハー気分丸出しで徒然なるままに書き綴ってしまいましたが、最後に纏めると、このゲームは間違い無くＴＶゲームの歴史に名を残す大名作ＡＤＶだと思うので、未プレイの方には是非プレイして頂ければと思います。きっと損はしないハズです。