ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記

月姫

いや、もうなんと言いますか、困窮しかかっているパソゲー界に大いなる喝を入れてくれたゲームでした。しかもそれが２５００円の同人ソフトによるものとは、なんとも皮肉としか言い様がありませんね。膨大且つ緻密に考え抜かれたストーリー、味のある大変に魅力的なキャラクター、どれを取ってみてもパソゲー標準価格８８００円ぐらいの価値はありますよ。このゲームをプレイした後だと、他のメーカーが怠けて見えること請け合いです。

それでも敢えて難があるとすれば、言い回しに変にクドイ部分がある事と、低迷Ｌｅａｆが過去に出した大傑作『痕』に表現手法という観点で非常に似ている部分がある所ぐらいでしょうか（因みに筆者も『痕』フリークですが、当作品の某キャラのおかげで変な先入観を感じる事無く、楽しんでプレイする事が出来ました）。

同人ソフトということで、住んでいる場所によってはなかなか手に入れるのが難しいかもしれませんが、機会があったら是非プレイして欲しいソフトです。しかし、ＬｅａｆやＫｅｙにとって変わるのはここかもしれませんね・・・。

◆ お気に入りＢＥＳＴ３

BEST1
遠野秋葉　ＣＶ：なし

この作品の主人公である遠野志貴の妹で、財閥”遠野家”の跡取り。性格はかなり生真面目で、融通がまったくききません。併せて、自分に気に入らない事があるとネチネチと虐めてくる、ちょっとＳがかった方。ただその虐めも、実は愛情の裏返しみたいな所があります。特に主人公に対しては兄妹以上の感情を持っているので、その想い故に、ややもすると優柔不断な（特に女性に対してですが）主人公をはっきり糾弾してきます。ちょっと窮屈な感じがしますが、つまりはストレートな愛情表現が苦手な為に自分に関心を持って貰おうとする結果なのでしょうね、虐める事も。特に彼女のシナリオに入るとその事が如実に見て取れるので、返って奥ゆかしさを感じます。と言いますか、激烈に転びましたね。本当に主人公に対して一途なので、「もっと虐めて～」と思うこと請け合いですよ。おかげで、実は彼女のシナリオはかなり悲劇的な部分が強いので、空しさも大きかったです。仕方がないにしても、自己犠牲は残った者に寂しさしか残しませんね。もう”お楽しみディスク”でこの辺り、補完してくれる事を切に希望します。キーは反転衝動。

※ファンディスク『歌月十夜』でストーリー補完されました。本当、良かった良かった・・・。

BEST2
シエル　ＣＶ：なし

一応、主人公の通う高校の３年生。後輩に対しても丁寧口調で物腰柔らかな感じがします。茶道部部室でお茶菓子を食べていたり、カレー愛好家だったりとえらく庶民的。た～だ～し、本当の正体はかなり物騒なお方で、名前を見れば御分かりの通り日本人ではありません。キーは埋葬機関。ある目的の遂行の為に日本に来航し、日本の学生に擬装してチャンスを伺っています。仕事に関しては何事にもクールに対応する合理主義者のようです。でまた、た～だ～し、恋愛に関しては独占欲いっぱい。ちょっとでも浮気を匂わすと、即、真偽を確かめに入る余裕の無さ。仕事とはうって変わって苦労しそうです。ただ、この二律相反しているところがこの方の魅力なのかもしれませんね。でも、思ったより巷では人気が無いらしく、ファンとしてはちょっと寂しい限り。やっぱりグッドエンドのアルクがいかんのだな。知得留先生に殴ってもらおう。ビシビシビシ！

BEST3
琥珀　ＣＶ：なし

主人公が遠野家に戻ってくるに辺り、秋葉が屋敷に残した２人の使用人の内の１人。もう１人は妹の翡翠。明るい性格と対応の正確さで秋葉にも重宝がられている様子。ただし、掃除だけは破滅的にヘタクソで、いつもは周りに被害が及ばない庭掃除ばかりしています。逆に翡翠の方は掃除はＯＫでも料理がダメらしく、なんともバランスのとれた姉妹です。主人公も小さい頃にこの琥珀さんと遊んだ経験があり、屋敷に戻って直ぐに打ち解けるのですが、実はちょっとした取り違えをしています。キーは白いリボン。この方は間違いなくこの作品最大の被害者。それ故に、ある尊大な計画を実行しようとしています。主人公はこの事実を認識しつつ、暖かく彼女を包み込んであげましょう。ひまわりが本当に似合っている。

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ビーフストロガノフ(屠絵 味噌)