ビーフストロガノフの
ゲーム感想日記
ゲームプレイの感想を中心に、徒然なるままに書き殴り。たまにイラストつき
クリアした時分の感想だとなかなかの良ゲーと思っていたのですが、ちょっと間を置いて振り返って見ると、ビックリする事にヒロイン付属のストーリーがほとんど記憶に残っていないのです。たった１、２週間で話を忘れる事自体あまり無い事なので、逆に真剣にその理由を考えてみました。
１）キャラクターの印象が薄い
今作は前作までキャラデザを担当していた松田氏が退いた関係で違う方がデザインされたのですが、パッと見の印象は凄く良いのですよ。松田氏の描くキャラにかなり雰囲気は近い感じがするので、過去の作品のファンとしては好感が持てましたし、体格のムチムチ感もイヤラシイというよりも健康的な感じで『トゥルー』の作風にピッタリでした。ただ、絵の線が妙に細く、色合いも薄めに塗られている為かハッキリとした印象が持ちにくい欠点がありました。顔の表情も大崩れする事が少なくどこかクールな感じが強い分、プレイするこちらもいまいち気持ちが乗っていかなかった。このデザインの部分でのプレイヤーへのアピールが弱かった為に、並行してもう一つの欠点が浮き彫りになってしまいました。
２）ストーリーが平凡
『トゥルー』シリーズをやってきた方は大体感じている事だと思いますが、概ね『トゥルー』の恋愛ストーリーはオーソドックス、悪く言えば平凡なのですね。だから安心してプレイ出来るのと同時に、何かもうちょっと一波乱あってもいいのになぁと常に感じてきました。それでも『トゥルー』が平均以上のレベルの作品でありえたのは、ひとえに松田氏のデザインにあったように思います。『ＴＬＳＳ』プレイした後に昔の『ＴＬＳ２』の攻略本でも読んでみればすぐ分かります。本当にハッキリした絵なのですよ。もう濃いぐらいに。表情もワザとらしいし、実に漫画的。ただそれ故に、薄味感の強いストーリーとほどよくマッチして、バランスの取れた作品になり得た訳ですね。今回の『ＴＬＳＳ』は、繊細な絵に伝統の平凡ストーリーがあまり噛みあわず、印象を逆に弱くしてしまった感じがしました。
３）システムに物申す！
個人的に『トゥルー』は『ときメモ』と双璧をなすシリーズに成り得ると思ってきましたが、この『ＴＬＳＳ』をプレイした感じでは、厳しい言い方ですが御門違いだったようです。『ときメモ』のどこが素晴らしいかと言えば、新作を作る毎になにか１つ新しい事にチャレンジしようとする姿勢にあります。ご存知の通り、『ときメモ３』はポリゴンでの恋愛ゲーに挑戦して、お世辞にも成功したとは言えなかった訳ですが、それでもそのスピリッツは賞賛に値するし、間違いなく今後の作品にも生かされていく事でしょう。『ＴＬＳＳ』はと言うと、前作までのシステムとほとんど変わらず、結局元々の売りである”下校会話モード”のみに頼っていましたね。目標システムなどの小手先だけの変更も、単に難易度を下げただけでやりがいを減らしてしまった印象が強いし、併せてイベント数の少なさを露呈した恰好に。もし、今後もこのシリーズを続けていこうと考えているならば、やはり画期的な変更を１つ２つやる必要があると思いますね。このままじゃ、昨今の恋愛ＡＤＶとなにも変わらない。
以上です。何やら文句ばっかりになってしまいましたが、一応ファンとしての提言だと思って勘弁してください。正直、『ＴＬＳ３』でシリーズもお終いかと思っていただけに、本当、復活は嬉しかったです。それだけに出来自体は少々残念ではありましたが、間がかなり空いての『ＴＬＳＳ』には、市場のニーズやファンの望むモノとのズレが多少あったのかもしれませんね。次作のブレイクに大いに期待したいものです。
◆ お気に入りＢＥＳＴ３
BEST1
篠坂唯子 ＣＶ：松来未祐
床に落とした眼鏡が見つからず、「めがね、めがね」と手探りをする非常に古典的な眼鏡っ娘。ついでにちょっと頭の螺子が緩んでいる模様で、奇妙な発言も連発するおちゃめな娘です。ただし本人は至って真面目。元々は大人しい性格で男性にも積極的に話し掛ける事が出来なかったりするので、こちらから図書館にでも出向いて進んで会話をしましょう。キーは体重。ベストエンドでちょっと太ったと言っていましたが、つまりはトラウマから抜け出せたという事でしょうし、その上、幸せ太りなら万々歳。声は松来さん。演技は旨いと思いますが、演じ分けが得意ではない様子。つまり、『Ｍｉｓｓｉｎｇ Ｂｌｕｅ』の璃月沙夜とまるで同じ調子なのです。ファンならいいか・・・。
BEST2
神谷菜由 ＣＶ：松岡由貴
上の総評で書いた以外にも『ＴＬＳＳ』で気に入らない部分があったりします。つまり、この神谷さんのシナリオから派生して、ルリ姉とラブラブになるストーリーが何故になかったんだバカヤローエンブレ。いや倫理的に問題があると言うなら「実は本当の姉弟じゃなかったんだ！」的なお約束で突っ走っても無問題ですよ？ 本当、そういう部分でも大人しいですよね『トゥルー』って・・・。あ、ここ神谷さんについてか。え～っと、”わがまま気ままなすがまま”の典型的な槍投げキャラ。自己中で言いたい事もハッキリ言及してくるので、一旦守勢にまわると最後まで彼女のペースに引きずり込まれます。その点からしてもかなり傍迷惑な女の娘なのですが、主人公の姉のルリがまたおんなじような性格をしている為か、耐性が付いてる分、主人公は普通に彼女と接します。Ｍの気ありとみた。キーはこのルリ姉。当初はある理由でルリ姉に噛み付く神谷さんでしたが、結局は似通った性格ゆえか仲良くなってしまって、この２人に懐かれた主人公の将来が大変心配です。松岡さんの声は凛とした部分と可愛らしい部分が同居したような感じで、神谷さんにピッタリでした。
BEST3
楠瀬緋菜 ＣＶ：桑谷夏子
キーは子犬。『ＴＬＳ２』で七瀬かすみ嬢に転んだプレイヤーなら、多分この娘もＯＫでしょう。本当に良く似ている（控えめな性格やら、子犬っぽい所など）。主人公に当初から好感を持っているのも一緒です。ただ、ストーリーの進め方によっては、出会っていきなり告白してきたりするので、主人公側でどうこの気持ちに答えるか、話中かんがえる必要があります。なかなか返事をしない主人公に対して不安を感じつつも、それを表に出さない健気さもあってか、ベストエンドでの彼女の笑顔が実に印象的でしたね。声の桑谷さん、ほんわか声がナイスです。人気出そう。